官房長ぉおおおおううぅうわあぁああああああああぁあぁああああああ〜〜〜っっっ!!??

昨日3D映像制作のセミナーが終わったので、今日劇場版の相棒を見に行って参りました。以下その感想とレビュー若干ネタバレを含むので閲覧注意。

ストーリー

まず警視庁に八重樫という男が侵入し、警視庁の幹部12人を人質に取る。目的は不明だが、幹部の内6人が取り押さえその際に八重樫は射殺されてしまう。後の聴取では幹部達は八重樫の射殺については銃の暴発だと供述し、一応事件は収束に向かう…はずだった。
しかしこれで納得ならず勝手に捜査するのが特命係の杉下右京と神戸尊である。まず八重樫の侵入の目的をはっきりさせるため、八重樫を警視庁内に導きいれた朝比奈という女に話を聞く。さらに事件を調べていくうちに右京らは一つの警察の陰謀劇にたどり着く。以下反転するとネタバレ、分かりやすいように若干砕けて記述しています。
7年前に中東出身の中国系テロリスト集団の報告を受け、当時公安部の一員だった朝比奈と婚約者は事件現場に向かう。しかしどういう訳か麻薬取締刑事の八重樫が現れ、テロリスト集団に捕まってしまう。彼の救出を兼ねてテロリスト集団のアジトに強行突入するが、奥には爆弾が置いてあり何故かそれにパニクるテロリスト達。不可解な出来事が続出する中爆弾が爆発し、朝比奈の婚約者は殉職する。
その後麻薬取締刑事の八重樫はその責任として依願退職させられるが、八重樫が言うには公安部に報告されたテロリストは実はただの中国人マフィアだという事が判明した。つまり上からのテロリスト報告がでっち上げだという事がわかった。その事実を追求すべく朝比奈は警視庁内で、八重樫は警視庁外で捜査する。そして一人のキーパーソンにたどり着く。
名前は曹良明(ソウ・リョウメイ)という上海のヤクザで、今まで数ある中国マフィアに潜入し壊滅させた男である。今回のテロリスト事件にもこの男がいて、しかもその時の不可解な爆弾とそれを見てパニックに陥ったテロリストに仕立て上げられた中国マフィアたちの様子からみて、十中八九この男が絡んでると踏んだ。しかしどういう訳かこの男は警察病院で身元不明として保護、集中治療されていた事がわかる。結局、曹良明は死亡し詳細は分からないが、一つの答が導き出された。
曹良明は警察上層部の人間「影の管理官」の手下であり、今回のテロリスト事件で良明を適当な中国マフィアに紛れ込ませこっそりと爆弾を置き、一方で影の管理官は公安部にその中国マフィアをテロリスト集団にでっち上げた嘘の報告をし向かわせた。影の管理官はこの一件で爆弾でターゲットの中国マフィアがテロリスト集団だったという事を公安部に認識させ、さらにこの爆発で良明も始末して真相をはぐらかすつもりだった。しかしここで誤算が二つ発生した。麻薬取締刑事の八重樫が来た事と曹良明が生きていた事である。それで証拠を隠すために八重樫が依願退職させられたことも良明が警察病院で身元不明として保護されていた事も説明がつく。八重樫は朝比奈とその婚約者と同期だったため、彼の弔いの為単身警視庁の幹部12人を人質にし影の管理官を絞りだそうという魂胆だった。
果たして影の管理官は一体誰だったのか?八重樫は誰に殺されたのか?何故影の管理官はでっち上げのテロ報告をしたのか?その目的には影の管理官の独自の正義感が露になる!
さらに話はこれだけでは終わらない。実は警視庁と相対する警察庁会議室に盗聴器を仕掛けており、警視庁人質事件の際の盗聴内容に影の管理官の正体および八重樫を売った犯人の重要な証拠をつかんでいた!これを警察庁は警視庁牽制の為に使うつもりだったが、右京らが事件を嗅ぎまわっているためやりにくくなっていった。そこで警察庁幹部の小野田は右京を止めようと対立する!警察庁の思惑とは一体!?そして長年の右京と小野田の対立にピリオドを打つ時か!?だが、最後は衝撃のクライマックスが待ち受ける!!

感想

実は劇場版を見るのはこれが初めてですが、相棒史上完成度の高い作品だったと思う。映画の本筋の影の管理官のストーリーもかなり濃厚でしたが、今回の事件のゲストキャラの八重樫や朝比奈そしてその婚約者の各々の想いもなかなか見事だったと思います。また最後には影の管理官も逮捕され警察庁の目的も分かりますが、そういう行動に出るに至る志向も考えさせられると思います。その思考に対する右京尾反論も勿論見どころです。そして最後にはまったく予想だにしなかったことが待ち受けて、ビックリしました。ここから先ネタバレ、反転注意!
予告編とかで散々フラグが立ってますけど、やっぱり小野田官房長死にます。最初は映画のテーマとなってる影の管理官がらみの人間に殺されると思ってばかりいましたが、そんな予想をいい意味で裏切ってくれるのが相棒です。小野田を殺したのは映画の本筋の影の管理官がらみとは全く別路線の、しかも劇中で1分ぐらいで済まされたいかにもスルーシーンに出てきた人物である。しかも状況的にいよいよもって右京と小野田が対決する直後の出来事。まさに衝撃的なラストである。
多くの相棒ファンは右京と小野田の対決が相棒の最後になると思ってたらしいが、今回はそんなファンの期待を色んな意味で裏切ってくれました。確かに俺も最初はショックでしたが、相棒製作スタッフ側は「相棒は新しい事にチャレンジし、今回も小野田の死で今後の新しい相棒に挑戦していく」との事。劇場版の完成度も然りだが、現在放映中の小野田が全く出てこないシーズン9もこれはこれで味はあったので、そこはさすがだなぁと思った。
とにかく相棒ファンにとってはかなり見応えのある作品なので、是非とも見ておく事をお勧めする。